後見アシスト公式ガイド / 収支・財産の整理
財産目録の書き方|預貯金・現金・不動産・負債の整理ポイント
- 公開日
- 最終更新日
- 編集・運営
- 後見アシスト運営事務局
財産目録は、基準日(財産の状況を確認する日)時点の本人の財産と負債を整理する書類です。まず、提出先の案内で、使用する書式と基準日を確認します。
預貯金の残高、保険の契約内容、不動産の所在地や持分など、記載する内容は財産の種類によって異なります。通帳・証明書・契約書などをそろえ、書式の各欄と見比べましょう。
要点
- ✓使用する書式と、いつの財産を確認するかを示す基準日を先に確認します。
- ✓財産の種類ごとに記載する内容と資料を分け、初回・定期の記載方法に沿って整理します。
- ✓残高は口座・現金ごとに照合します。差額があれば、理由を確認してから記録を修正します。
本記事では、掲載している公開情報をもとにした一般的な整理例を説明しています。書式、提出物、記載方法、運用は家庭裁判所や案件によって異なるため、提出先から届いた最新案内と個別の指示を優先してください。
公式情報との関係
掲載している公的機関などの公開情報を参照し、実務で確認しやすい形に整理しています
このページは後見アシスト運営事務局が、各記事の「参考資料」に掲載している公開情報を確認し、 後見業務と裁判所報告の準備で参照しやすい一般的な説明としてまとめたものです。 最新の様式、提出期限、添付資料、提出方法は、提出先の家庭裁判所から届いた案内と公式情報を優先してください。
- このページの要約
- 財産目録は、提出先が指定した基準日時点の財産と負債を、書式の区分ごとに確認して作成します。預貯金・現金の残高は口座や保管先ごとに資料と照合し、保険・不動産などは各欄で求められる契約内容や持分などを確認します。初回・定期の記載方法と添付資料は、書式の注意事項に従ってください。
- 対象
- 後見業務を担う方 / 個人専門職 / 財産管理を見直したい方
- 扱うテーマ
- 収支・財産の整理
- 公式情報の確認先
- 裁判所:成年後見人・保佐人・補助人の報告書式・記載例
この記事でわかること
- ✓財産目録に載せる主な財産の種類
- ✓通帳残高や現金残高の確認方法
- ✓財産と収支を照合する考え方
- ✓財産情報を継続して見直す流れ
まず押さえるポイント
- ✓提出先の案内で、書式、初回・定期の別、基準日、提出期限を確認する
- ✓財産・負債の種類ごとに必要な資料を集め、書式の各欄で求められる内容を確認する
- ✓口座・現金ごとの残高を同じ基準日で照合し、差額があれば理由を調べる
- ✓初回・定期の記載方法と添付資料の指示を確認し、不明点や不足資料は取得先・提出先に問い合わせる
関連して確認したい項目
書式と基準日を確認する
財産目録に記載するのは、基準日時点の財産の状況です。今日の残高や別の日付の証明書をそのまま使わず、指定された日付の内容を確認できる資料をそろえます。
現在の統一書式には、初回・変化なし・変化ありの選択欄があります。対象は、保険、不動産、債権、その他の財産、負債、遺産分割未了の相続財産です。初回報告か定期報告かに応じて、選択欄と別紙の指示を確認してください。
初回報告では、該当欄を選び、別紙も作成する指示です。定期報告で変化がある項目は、変化のなかった財産も含め、その項目の現在の内容すべてを別紙に記載します。預貯金・現金や有価証券等は別の欄のため、変化のない財産を一律に省略せず、項目ごとの指示を確認してください。
財産目録に整理する主な項目
次の表は、財産の種類と確認資料を整理するためのものです。すべての財産を同じ残高欄で扱わず、使用する書式の項目に合わせて確認してください。資料を集めることと、写しを添付することは分けて考え、添付範囲は案内で確認します。
| 区分 | 書式で確認する内容 | 主な確認資料 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 金融機関・支店、口座種別・番号、残高、最終確認日、管理者 | 通帳、残高証明書、取引明細 |
| 現金・施設等預入金 | 現金と施設等預入金を区別し、残高、管理者、施設等への預入先を確認 | 現金確認メモ、施設の管理記録 |
| 有価証券等 | 種類、銘柄、証券会社、数量・額面金額、評価額、管理者 | 証券会社の明細、運用実績報告書など |
| 生命保険・損害保険等 | 本人が契約者または受取人の保険について、保険会社・種類・証書番号・保険金額(受取額)・契約者・受取人を確認 | 保険証券、契約内容の通知 |
| 不動産(土地・建物) | 所在地、地番・家屋番号、地積・床面積、現状、共有持分など | 登記事項証明書 |
| 債権 | 貸付金などの請求先、内容、残額 | 契約書、返済の記録 |
| その他の財産 | 自動車などの種類、内容、評価額 | 所有や内容を確認できる資料 |
| 負債 | 未払金・借入金などの支払先、内容、残額、返済月額 | 請求書、契約書、返済予定表 |
| 遺産分割未了の相続財産 | 本人が相続人となっている遺産の有無と、相続財産目録の作成についての指示 | 相続に関する書類、遺産の内容を確認できる資料 |
財産目録の記載例
次の表は、本記事独自の架空例です。裁判所の記載例は公式書式ページで確認してください。ここでは整理する情報の一部だけを示しているため、実際の記入では追加の確認が必要です。基準日時点の資料を使い、金融機関名、口座番号、管理者など、書式で求められる内容を確認してください。
| 財産区分 | 架空例 | 照合する資料 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 基準日3月31日、普通預金の残高1,250,000円 | 同日の残高を確認できる通帳・取引明細・残高証明書 |
| 施設等預入金 | 基準日3月31日、施設Aへの預入金30,000円、管理者は施設長 | 施設の管理記録、残高確認の記録 |
| 負債 | 基準日3月31日、医療機関Bへの入院費未払金80,000円 | 請求書、基準日時点の未払額と支払予定の記録 |
口座・現金ごとの残高を照合する
残高は、口座・現金ごとに確認します。前回確認した残高を起点に、その後の実際の収入を足し、支出を引き、口座・現金間の移動による増減を加えて計算します。計算に含める期間をそろえ、基準日時点の通帳や現金の残高と見比べましょう。
例えば、本人の口座から手元現金へ1万円を移した場合、口座は1万円減り、現金は1万円増えます。手数料や別の支払いがなければ、この移動だけで預貯金と現金の合計は変わりません。実際に現金を使った日・金額・用途は、口座からの引出しとは分けて記録します。
収支状況報告書には月額・年額などの欄があるため、記載された合計をそのまま残高へ足し引きすることはできません。報告書の元になった個々の入出金記録を通帳・領収書などと照合し、財産目録には基準日時点の残高を記載します。提出書類の記載方法は、提出先の案内を確認してください。
| 確認する動き | 残高で見る点 | 記録と資料を見比べる点 |
|---|---|---|
| 普通預金から手元現金へ移動 | 預金の減少と現金の増加 | 移動した金額と、その後に現金で支払った金額を二重に支出へ含めていないか |
| 本人名義の普通預金から定期預金へ振替 | 移動元・移動先それぞれの残高 | 同じ移動の日付・金額・口座が対応しているか |
| 保険金の入金 | 入金先の預貯金残高 | 支払通知と通帳で入金日・金額を確認し、収入の記録と合っているか |
| 入院費などの支払い | 支払った口座・現金の残高 | 請求日と支払日を区別し、実際の支払額を領収書や通帳と照合しているか |
- ✓基準日と計算に含める期間、起点となる残高が合っているか確認する
- ✓未記録や重複の入出金、口座・現金間の移動を調べる
- ✓差額の大小にかかわらず理由を確認し、誤りが分かった記録を修正する
- ✓理由が分からない場合は、差額と確認した資料・経過を残し、必要に応じて取得先や提出先へ問い合わせる
提出前に確認したい財産と資料
記入が終わったら、通帳に載らない財産や負債も含めて、各欄の回答を確認します。定期報告では前回の財産目録とも見比べ、新たに見つかった財産や処分・返済したものが、書式の指示に沿って記載されているか確認してください。
- ✓現金と施設等預入金の残高、管理者、保管先・預入先を確認している
- ✓本人が契約者または受取人の保険、有価証券、貸付金、その他の財産を確認している
- ✓不動産の所在地・面積・共有持分などを資料と見比べている
- ✓未払医療費、施設費、借入金などの残額を、本人のために立て替えたお金の記録とも区別して確認している
- ✓遺産分割未了の相続財産について、書式の質問と別の目録が必要かを確認している
- ✓初回・変化なし・変化ありの選択、別紙、添付資料と目録を対応づける番号について、書式の指示を確認している
よくある質問
- 通帳の残高はいつの時点で記載しますか?
- 提出先が指定した基準日時点の残高を記載します。基準日は、財産の状況を確認する日です。通帳や残高証明書がいつの残高を示しているかを確認し、別の日の残高と混在させないようにしてください。案内で日付を確認できない場合は、提出先に問い合わせます。
- 本人のために立て替えたお金はどう整理しますか?
- 立替日、立て替えた人、目的、金額、精算状況と根拠資料を分けて記録します。本人の財産と後見人等の個人財産を混同しないための整理です。財産目録などへの具体的な記載方法は、最新書式や個別の案内を確認してください。
- 残高が収支計算と合わないときはどうしますか?
- 差額の理由を、口座・現金ごとに確認します。最初に基準日と計算の起点となる残高を確かめ、未記録・重複の入出金や、口座・現金間の移動を調べてください。資料で誤りを確認してから該当する記録を修正し、確認した経過を残します。金額を合わせるためだけに残高を書き換えないでください。
- 財産目録には通帳以外の財産も書きますか?
- はい。現金、施設等預入金、不動産、保険、有価証券、貸付金、負債なども確認します。遺産分割未了の相続財産についても、書式の質問と相続財産目録の案内を確認してください。記載する範囲と添付資料は、提出先の最新書式や個別の指示に従います。
- 財産目録と収支状況報告書はどう関係しますか?
- 財産目録は基準日時点の財産・負債を、収支状況報告書は定期・臨時の収入と支出を示す書類です。収支状況報告書には月額・年額などの欄があるため、その合計を残高へ単純に足し引きすることはできません。残高の確認には、口座・現金ごとの実際の入出金記録を使い、基準日時点の通帳や現金の残高と見比べます。
後見アシストでできること
- ✓定期報告の報告書詳細で「財産」を開き、「財産残高の見直し」の「開く」を押します。「前回残高」を計算の基準に、報告対象期間の収入・支出と口座・現金間の移動から求めた「計算後の残高」を、「現在の登録残高」と見比べられます。銀行・現金の「前回残高」を空欄で保存した場合は、そのとき入力した「残高」が計算の基準になります。初回報告には「財産残高の見直し」は表示されません。
- ✓見直し表には、報告対象期間の差引増減が0円でない口座・現金が表示されます。表示されないことだけで、財産や取引がないとは判断できません。「計算後の残高」と「現在の登録残高」が同額なら、反映は不要です。
- ✓「財産残高の見直し」は報告対象期間の動きから残高を計算する機能で、財産目録の基準日を自動的に決める機能ではありません。登録残高を更新するときは、計算の基準となる「前回残高」と報告対象期間を確かめ、財産目録の基準日と対応する日付の通帳・現金残高に「計算後の残高」が一致することを確認します。PCでは行の「反映」、スマートフォンでは「この残高を反映」を押すと、確認画面が開きます。
- ✓「財産残高を更新します」で変更前と変更後の金額を確認し、「この内容で反映」を押すと、その財産の「現在の登録残高」が更新されます。「前回残高」と元の収支記録は変わりません。確認するだけでは登録残高は自動更新されません。
- ✓通帳・残高証明書・保険証券など、金額や内容の根拠になる資料は手元で保管します。財産情報は「財産」、定期報告の入出金は「収支」に入力した内容と見比べてください。
参考資料
後見アシスト運営事務局が、裁判所の公開情報を確認し、報告準備に使いやすい一般情報として編集しています。
書式や提出方法は更新される場合があります。提出先の裁判所から届いた案内と、次の公式情報をご確認ください。
裁判所報告の準備を、日々の支援記録から始めませんか。
財産目録と収支を見比べる準備を、日々の記録から始めましょう。
後見アシストの先行利用版では、収支記録、口座・現金間の移動、財産情報を分けて登録し、報告前に見比べられます。財産目録と収支を見比べたい方へ、先行利用版の案内を登録したメールアドレスにお送りします。
