後見アシスト公式ガイド / 制度見直し・法改正

成年後見制度の法改正で後見人の実務はどう変わる?今から備えたい記録・収支・財産管理

家族後見人個人専門職小規模に担当する方

成年後見制度は、認知症や障害などにより判断能力が十分でない方を支援するための制度です。現在、この成年後見制度について、本人の意思尊重や制度の使いやすさを重視する方向で見直しが進められています。

法制審議会民法(成年後見等関係)部会では制度見直しに関する中間試案が取りまとめられていますが、最終的な改正内容や施行時期、家庭裁判所の様式、実務運用には確定していない部分があります。

家族後見人・個人専門職・小規模担当者にとっては、今のうちから日々の記録、収支、財産、本人の意思確認を整理しておくことが大切です。この記事では、制度見直しの動きによって後見人の実務にどのような影響が考えられるのか、そして今から準備しておきたいポイントを整理します。

この記事でわかること

  • 成年後見制度の見直しで注目されている考え方
  • 後見人の実務に影響しそうなポイント
  • 本人の意思確認や生活状況の記録が重要になる理由
  • 収支・財産管理で今から整理しておきたいこと
  • 制度見直しに備えて後見アシストでできる準備

まず押さえるポイント

  • 本人との面談や連絡を日付付きで記録する
  • 収入・支出・資金移動を分けて整理する
  • 財産の残高と変動理由を定期的に確認する
  • 報告期限や必要書類をタスクとして管理する

成年後見制度はなぜ見直されているのか

成年後見制度は、本人の財産を守り、契約や手続きなどを支援する制度として利用されています。一方で、これまでの制度には、利用を始めた後に必要性が薄れても終了しにくいことや、後見人の権限が広く本人の意思が十分に反映されにくい場合があることなどが指摘されてきました。

財産保全が重視される一方で本人の生活や希望への配慮が見えにくいこと、後見人の報告や記録の負担が大きいこと、家族後見人にとって何をどこまで記録すればよいか分かりにくいことも課題として挙げられています。

近年は、本人の意思をできるだけ尊重しながら支援する意思決定支援の考え方が重視されています。今後の後見実務では、本人が何を希望していたか、どのように意思を確認したか、誰と相談して判断したか、なぜその支出や手続きを行ったかという記録が、より重要になる可能性があります。

  • 必要性が薄れても制度利用を終了しにくい
  • 後見人の権限が広く、本人の意思が反映されにくい場合がある
  • 財産保全に比べ、本人の生活や希望への配慮が見えにくい
  • 後見人の報告や記録の負担が大きい
  • 家族後見人には記録すべき範囲が分かりにくい

法改正で後見人の実務に影響しそうなポイント

制度見直しの内容はまだ確定していませんが、本人の意思確認、生活状況、収支・財産の説明、判断理由を後から確認できる情報整理は、今後さらに重要になると考えられます。

報告様式が変わった場合にも対応しやすいよう、特定の書式だけに合わせるのではなく、日々の事実を項目ごとに残しておくことが実務上の備えになります。

実務で備えたいこと記録しておきたい内容報告時に役立つ場面
本人の意思確認本人の希望、面談内容、支援者からの聞き取り後見事務報告書、身上保護の説明
生活状況の記録住まい、施設、健康状態、医療・介護サービス本人の生活状況の記載
収支管理年金、施設費、医療費、日用品費、臨時支出収支予定表、収支状況報告書
財産管理預貯金、現金、保険、不動産、負債財産目録
判断理由支出や契約を行った理由、相談相手裁判所への説明、記録の補足
タスク管理報告期限、通帳コピー、領収書、提出書類提出漏れ防止

本人の意思確認はどう記録する?

今後は、後見人が一方的に判断するのではなく、本人の意思や希望を確認しながら支援したことを残す重要性が高まる可能性があります。

本人の生活に関わる支出や契約、施設入所、医療、財産処分などは、後から説明できるように、確認方法や相談相手、判断理由も記録しておくと安心です。

記録する内容具体例
本人の希望施設での生活、医療、外出、買い物、親族との交流
意思確認の方法面談、電話、支援者からの聞き取り、表情や反応の確認
相談した相手親族、ケアマネジャー、施設職員、医師、専門職
判断した理由本人の安全、生活の安定、財産状況、医療上の必要性

収支・財産管理で今から整理しておきたいこと

法改正の有無にかかわらず、後見人にとって収支と財産の管理は重要です。家庭裁判所への報告に備えて、預貯金残高、現金残高、定期収入、定期支出、臨時収入、臨時支出、大きな財産変動を整理しておきます。

特に注意したいのは、資金移動と支出を混同しないことです。本人名義の普通預金から定期預金へ移した場合は支出ではなく資金移動です。一方、施設利用料や医療費、日用品購入は支出として整理します。

今後の制度見直しで報告様式が変わる可能性があっても、日々の収支・財産情報を整理しておけば、様式変更にも対応しやすくなります。

区分報告時の注意点
定期収入年金、家賃収入月額・年額を整理する
定期支出施設費、医療費、公共料金毎月の変動も記録する
臨時収入保険金、還付金発生日と理由を残す
臨時支出入院費、家電購入、修繕費金額と理由を説明できるようにする
資金移動口座間移動、定期預金への振替収支ではなく財産内の移動として扱う

家族後見人・個人専門職が今から準備しておきたいチェックリスト

制度や様式が変わっても事実関係を説明できるよう、日々の実務を小さく積み重ねて記録します。

  • 面談、電話、施設との連絡を日付付きで記録する
  • 本人の希望や意思確認の内容を残す
  • 支出や契約を行った理由をメモする
  • 収入・支出を月ごとに整理する
  • 臨時支出は金額だけでなく理由も残す
  • 口座間の資金移動を支出と混同しない
  • 預貯金、現金、保険、不動産、負債を定期的に確認する
  • 報告期限、必要書類、通帳コピー、領収書をタスク化する
  • 提出前に家庭裁判所の最新案内を確認する

まとめ

成年後見制度は、本人の財産を守るだけでなく、本人の意思や生活を支える制度として見直しが進められています。今後の法改正によって、本人の意思確認、生活状況、収支と財産、判断理由、報告期限と必要書類の管理がより重要になる可能性があります。

まだ最終的な制度内容が確定していない部分もありますが、家族後見人・個人専門職・小規模担当者にとって、日々の記録を残すことは今からできる現実的な準備です。後見報告は提出直前にまとめて作るものではなく、日々の記録の積み重ねから作るものです。

制度見直しに備える意味でも、まずは本人の生活、収支、財産、手続きの記録を少しずつ整理しておきましょう。

後見アシストでできる準備

  • 本人との面談や電話、施設・医療機関・親族との連絡を記録できます。
  • 本人の生活状況、健康状態、希望や支援経過を整理できます。
  • 収入、支出、資金移動を分けて管理できます。
  • 預貯金、現金、保険、不動産などの財産情報を整理できます。
  • 報告期限や手続きのタスクを管理できます。
  • 登録済みの記録・収支・財産情報をもとに、報告書類作成に必要な情報整理を支援します。
  • ユーザーが報告種別を選択し、既存データをもとに帳票作成準備を行えます。

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