後見アシスト公式ガイド / 制度見直し・法改正
成年後見制度の改正と報酬資料|行った事務・作業時間・根拠資料の整理
- 公開日
- 最終更新日
- 編集・運営
- 後見アシスト運営事務局
本人の財産から報酬を受け取るには、家庭裁判所へ報酬付与を申し立て、報酬を付与する旨の審判を受ける必要があります。審判で認められた額を、その後に本人の財産から受け取ります。
現在の申立てでは、まず提出先の案内と正式書式を確認してください。このページでいう「報酬資料」は、行った対応や所要時間などを申立て前に見直すための任意の準備記録であり、裁判所の正式書式ではありません。
現在の申立書式でも、報酬の算定において考慮してもらいたい事情を記載します。改正法では、家庭裁判所が補助人の報酬を決める際に、補助人が行った事務の内容などを考慮することが定められています。この規定は、成年後見制度の見直しに関する規定の施行後に適用されるものです。作業時間や件数だけで報酬の有無・金額が決まるものではありません。
要点
- ✓報酬の有無と金額は家庭裁判所が審判で決めます
- ✓報酬資料は、行った事務や所要時間を整理する任意の準備記録です
- ✓作業時間や件数だけで報酬額が決まるものではありません
本記事では、掲載している公開情報をもとにした一般的な整理例を説明しています。書式、提出物、記載方法、運用は家庭裁判所や案件によって異なるため、提出先から届いた最新案内と個別の指示を優先してください。
公式情報との関係
掲載している公的機関などの公開情報を参照し、実務で確認しやすい形に整理しています
このページは後見アシスト運営事務局が、各記事の「参考資料」に掲載している公開情報を確認し、 後見業務と裁判所報告の準備で参照しやすい一般的な説明としてまとめたものです。 最新の様式、提出期限、添付資料、提出方法は、提出先の家庭裁判所から届いた案内と公式情報を優先してください。
- このページの要約
- 報酬付与申立てでは、提出先の案内と正式書式を先に確認します。このページでいう「報酬資料」は、日々の記録を元に、作業の種類、所要時間、原資料の場所や記録名を任意で整理するための準備記録です。日付と対応内容を別に入力し直すものではありません。報酬の有無・金額は家庭裁判所が審判で決めます。
- 対象
- 個人で後見業務を担う専門職 / 事務所・団体で後見業務を担当する方 / 後見業務を担う方
- 扱うテーマ
- 制度見直し・法改正
この記事でわかること
- ✓現行の報酬付与申立てと家庭裁判所の審判の関係
- ✓改正法で「行った事務の内容等」が明確化された意味
- ✓裁判所の正式書式と、任意の準備記録である報酬資料の違い
- ✓日々の記録を元に、作業の種類、所要時間、資料の参照情報を整理する方法
- ✓家庭裁判所の審判後に支払う報酬と、申立て前の準備記録の違い
- ✓報酬資料を作るときに人が確認すること
まず押さえるポイント
- ✓提出先の家庭裁判所が案内する現在の手続きと書式を確認する
- ✓事情説明書で「報酬付与を求める期間」を確認し、その期間に行った事務の記録を見直す
- ✓日々の記録から申立て前に確認したい対応を選び、予定表や通話記録、面談メモなどをもとに実際にかかった時間を整理する
- ✓必要な場合は、審判書などで確認した制度・手続と行った対応の関係を整理する
- ✓資料名、保管場所、関連記録など、原資料を見つけられる情報を残す
- ✓記録を一件ずつ見て、確認表へどう載せるかを利用者が選ぶ
報酬付与申立てとは
本人の財産から報酬を受け取るには、家庭裁判所に報酬付与を申し立て、報酬を認める審判を受けます。本人の財産から受け取れるのは、審判で認められた額です。
裁判所の手続概要に掲載された基本書類は、申立書、報酬付与申立事情説明書、後見等事務報告書、財産目録です。現在の事情説明書では「報酬付与を求める期間」と「報酬の算定において考慮してもらいたい事情」を確認してください。
考慮してもらいたい事情がある場合は、該当する事務を選び、必要に応じて事情説明書別紙を使います。別紙では、事務内容、現在の状況、第三者への委任、特に困難だった事情や労力を要した事情などを確認します。
また、報酬を求める期間内に本人が得た利益または財産の減少を免れたことによる利益の額も確認項目です。該当する利益がない場合の選択肢を含め、実際の記載は書式の各欄に従ってください。添付資料や追加書類の範囲は、書式の注意書きと提出先の案内による確認が必要です。
すでに提出済みで内容に変更がない書類は、再提出が不要な場合があります。利用する書式、添付する資料、個別の指示は提出先によって異なることがあるため、最新案内を優先します。
| 確認すること | 現在の手続きでの扱い |
|---|---|
| 報酬を受け取る前提 | 家庭裁判所への報酬付与申立てと、報酬を付与する旨の審判 |
| 報酬の有無・金額 | 家庭裁判所が個別事情を踏まえて審判で判断 |
| 手続概要に掲載された基本書類 | 申立書、事情説明書、後見等事務報告書、財産目録 |
| 事情に応じた書類・資料 | 事情説明書別紙、記載内容を確認できる資料など。必要な範囲は書式と提出先の案内で確認 |
| 書式・追加資料 | 裁判所の現行様式、提出先の案内、個別指示を優先 |
改正法と「行った事務の内容等」
成年後見制度を見直す法律(令和8年法律第45号)と関係法律の整備法(同第46号)は、2026年6月17日に成立し、6月24日に公布されました。成年後見制度の見直しに関する主な規定は、公布日から2年6か月以内の範囲で、政令で定める日に施行されます。
現在の事情説明書には「報酬の算定において考慮してもらいたい事情」の欄があり、家庭裁判所が個別の事情を確認するための項目です。改正法では、家庭裁判所が補助人の報酬を決定する際に、補助人が行った事務の内容などを考慮することが定められています。報酬の有無と金額の判断主体は家庭裁判所です。
改正後の補助人の報酬ルールと、施行前の現在の成年後見人・保佐人・補助人の報酬付与手続きは別に確認します。現在の申立ては、提出先の家庭裁判所が示す手続き、最新の書式、個別の案内を優先してください。
施行日、新しい書式、家庭裁判所の運用は、法務省と提出先の家庭裁判所の最新案内で確認してください。
報酬資料として整理したい項目
このページでいう「報酬資料」は、裁判所の正式書式とは別の任意の準備記録です。行ったことと日付は日々の記録を元に確認し、報酬申立て前の確認用として作業の種類、所要時間、原資料の場所や記録名を追加して整理します。
制度・手続との関係は、必要な場合に整理します。通帳、領収書、面談メモなどの原資料は手元で保管し、資料名や保管場所から後で見つけられるようにしてください。
| 項目 | 整理する目的 |
|---|---|
| 日々の記録 | 何をしたか、いつ行ったかの元になる記録として使うため |
| 記録日・所要時間 | 記録日は日々の記録から使い、実際にかかった時間を追加して振り返れるようにするため |
| 制度・手続との関係(任意の整理) | 必要な場合に、行った対応と関連する制度・手続を整理するため |
| 原資料を見つけるための情報 | 保管場所や記録名から原資料を見つけられるようにするため |
| 確認対象に残すかどうか | 記録を一件ずつ見て、申立て前の確認対象にするかを利用者が選ぶため |
| 件数・時間の集計 | 申立て前に全体を確認しやすくするため |
日々の記録と報酬資料をどう結び付ける?
面談、施設・病院・行政機関との連絡、財産や契約の確認、家庭裁判所への報告準備、関係資料の整理、本人の意向確認などは、まず日々の記録に事実として残します。報酬資料は、その記録を元に申立て前の確認に必要な情報だけを追加する位置付けです。
後見アシストでは、報酬資料を新しく追加するときに日々の記録を選びます。記録日と記録内容は選んだ記録から表示されるため、報酬資料で同じ日付や内容を入力し直しません。必要に応じて作業の種類、所要時間、確認できる資料・記録を追加します。
予定表、通話記録、面談メモなど、確認できる記録をもとに所要時間を整理します。分からない時間を推測で補わず、確認できる範囲で入力してください。所要時間は任意の準備記録であり、その合計から報酬額を算定するものではありません。
| 分けて記録する情報 | 記載例 |
|---|---|
| 日々の記録 | 施設担当者と面談し、生活状況と今後の支援方針を確認した事実と記録日 |
| 報酬確認用の追加情報 | 作業の種類、約60分、確認できる資料・記録 |
| 関連資料・記録 | 面談記録○○、施設からの連絡文書、保管場所 |
| 確認対象の選択 | 整理する内容を人が一件ずつ確認 |
審判後に支払う報酬と申立て前の準備記録の違い
家庭裁判所の審判後に支払う報酬と、申立て前に作る準備記録では、記録する場面と役割が異なります。審判後に本人の財産から実際に支払った報酬は収支として記録し、申立て前の準備記録は行った事務などの見直しに使ってください。
| 区分 | 記録する時点 | 目的 |
|---|---|---|
| 後見人報酬 | 家庭裁判所の審判後、実際に支払ったとき | 本人の財産から支払った報酬を収支として記録する |
| 報酬資料 | 報酬付与申立て前 | 行った対応、作業時間、原資料を見直しやすくする |
報酬付与申立て前の確認手順
申立て前は、事情説明書の「報酬付与を求める期間」と、提出先の家庭裁判所が案内する書式を確認します。次に、日々の記録、原資料、任意で整理した報酬資料を見比べます。
報酬資料は、現在選択している報告書に紐づく準備記録です。その報告書の対象期間と「報酬付与を求める期間」が同じとは限りません。期間が異なる場合は、手元の記録を期間ごとに見直し、申立対象期間全体を確認してください。
- ✓事情説明書で「報酬付与を求める期間」を確認する
- ✓日々の記録から、行った対応と記録日を見直す
- ✓所要時間を原記録や予定表と照合する
- ✓必要な場合は、どの制度・手続に関する対応かを審判書などで確認する
- ✓資料名、保管場所、関連記録から原資料を見つけられるか確認する
- ✓確認対象に残すかどうかを一件ずつ確認する
- ✓件数・合計時間・区分別内訳に不自然な点がないか確認する
- ✓本人の収支に記録する報酬と、申立て前の準備記録を混同していないか確認する
- ✓提出先の家庭裁判所が示す現在の案内、最新の書式、個別の案内を確認する
まとめ
現在の報酬付与申立てでは、事情説明書などの正式書式と提出先の個別案内を先に確認してください。必要な書類と記載内容は、任意の準備記録の項目だけでは判断できません。
報酬資料では、日々の記録を元に、作業の種類、所要時間、原資料の保管場所や記録名を任意で整理します。日付と対応内容は元の記録から確認し、確認対象に残す内容は申立て前に利用者が一件ずつ選んでください。
改正法では、補助人が行った事務の内容などを報酬決定の際に考慮することが定められています。施行日や新しい運用は法務省と家庭裁判所の公式案内で確認し、報酬の有無・金額は家庭裁判所の審判に従ってください。
よくある質問
- 報酬資料を作れば報酬が認められますか?
- いいえ。このページでいう「報酬資料」は、申立て前に行った対応や時間を見直すための任意の準備記録です。裁判所の正式書式や提出資料ではありません。報酬の有無と金額は家庭裁判所が審判で決めるため、提出する書類は提出先の案内で確認してください。
- 家庭裁判所の審判後に支払う報酬と、申立て前の準備記録は何が違いますか?
- 家庭裁判所の審判後に本人のお金から実際に支払った報酬は、支払った事実を本人の収支として記録します。申立て前の準備記録は、行った対応、作業時間、原資料を見直すために使います。
- 現在の報酬付与申立てでは何を優先すべきですか?
- 提出先の家庭裁判所が示す現在の手続き、最新の書式、個別の案内を優先してください。裁判所から追加資料を求められる場合もあります。
後見アシストでできること
- ✓進行中の報告書では、「報告書詳細」の「報酬資料」に「報酬申立て前の対応確認表」が表示されます。「対応を追加」を押すと、3つのステップで内容を整理できます。
- ✓最初に「関連する日々の記録」を選びます。新しく追加する報酬資料では日々の記録の選択が必要です。記録日と記録内容は選んだ記録から表示されるため、この画面で入力し直しません。制度・手続との関係を残す必要がある場合だけ「制度・手続(任意)を関連付ける」を開きます。制度・手続は未選択でも保存できます。
- ✓次に「作業の種類(報酬確認用)」と「所要時間(分)」を入力します。対応内容は選んだ日々の記録から使います。所要時間は、実際に対応した時間を1分以上1440分以下の整数で入力し、作業時間を自動で推定・補完しません。「確認表に含める」と選んだ対応の所要時間は、件数・合計時間・区分別内訳に集計されます。
- ✓「確認表への掲載」では、「確認候補として残す」「確認表に含める」「確認表に含めない」から選びます。
- ✓「確認できる資料・記録(証跡参照)」には、資料そのものではなく、あとで確認できる場所や記録名を入力します。口座番号、詳しい医療情報などを必要以上に書かず、原資料を特定できる最小限の情報にしてください。原資料のアップロードや保管は行わないため、通帳、領収書、面談メモなどは利用者が別途保管してください。
- ✓報酬資料は、現在選択している報告書に紐づきます。報告書の対象期間と「報酬付与を求める期間」が異なる場合は、この画面だけで申立対象期間全体を確認できるとは限りません。手元の記録と提出先の案内を確認してください。
- ✓完了済みの報告書では「対応を追加」は使用できません。保存済みの報酬資料は「詳細」から確認できます。修正する場合は、報告書一覧で「詳細・編集」→「再開する」→「保存」の順に操作して報告書を進行中へ戻し、その後「報酬資料」を開いてください。
- ✓報酬額、対応の相当性、裁判所の判断、確認表への掲載は自動決定しません。正式な報酬付与申立書も作成しないため、入力内容と手元資料を利用者が確認します。
- ✓報酬の有無と金額は家庭裁判所が審判で決めます。提出先の家庭裁判所の最新案内と、手元の資料を確認してください。
参考資料
後見アシスト運営事務局が、裁判所の公開情報を確認し、報告準備に使いやすい一般情報として編集しています。
書式や提出方法は更新される場合があります。提出先の裁判所から届いた案内と、次の公式情報をご確認ください。
裁判所報告の準備を、日々の支援記録から始めませんか。
日々の記録から、申立て前の確認材料を整理しませんか?
後見アシストでは、報告書詳細の「報酬資料」で日々の記録を選び、その記録をもとに作業の種類、所要時間、原資料の保管場所や記録名を任意で整理できます。日付や対応内容を同じ画面で入力し直す必要はありません。裁判所の正式書式を作成したり、報酬額や対応の相当性を判断したりする機能ではありません。原資料と提出先の家庭裁判所の案内を確認してください。
